二次創作絵等ブログ。
by aru
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End of Messiah

なあ。
これ、痛覚ってやつかね。
久しぶり。
ちょっと卑怯なんじゃねェの?
半端に余計なもん思い出させてくれやがって。
どうせなら温かい血と無害な肌も下さいよ。

妙な技を使う。
滑稽な合成装置に繋がった巨大な肉塊に、
様々な動物の部品が悪戯にひっついて、醜いマーマだ。
切り裂かれた腹部と思しき部分からは血と羊水、
これまた母親に似たり寄ったりの胎児の断片が吹き零れている。
エデアは鞭の先端の刃で奴の“生産”を止める代わり、
奴が伸ばしたカギ爪付きの触手に貫かれていた。
幾度も深い傷を負わされた触手は、
エデアの体内でも休むことなく再生を続け、すっかりいびつになっている。
それがどう此方に作用したかは分からないが、
胸のあたりに燃えるような熱が走った。
やべえ。
エデアは奴に突き刺さっている刃を引き戻し、
手元に返ってくるや否や己の身体から突き出た触手を刈り取った。
奴の一部を喰った右胸はそれと同化し、
エデアの古傷を忘れていた感覚と共に蘇らせつつある。
ヒューゥ。
こりゃとっとと仕留めねえと、分が悪ィや。

しかしね。
今までのこいつ等って言えば全生命を殺し合いに賭けてる感じで、
モロかったし後腐れなく息絶えてくれたんだけど。
何こいつ。
明らかにタイプが違う。
見た目もマズいし。
まるでオレみたいだ。

リオはこの部屋に踏みこむ前から、
何の予感がしたのか、ガチガチ歯まで鳴らして震えていた。
オレがこいつと戦い始めてからなんざ、
頭を両手で押さえこみ、部屋の隅にうずくまっている。
痛むのか。
閉じ込められていた記憶が暴れだして頭ン中を引き毟っているのか?
この化物を前に、オレはどうやら倒れられない。
オレが動かなくなったら、次はリオだ。
ハッ、御冗談。


「右目のこぶ・・・」


リオの声がした?
それを認識する間も無く。
「いやああああぁ!!
 痛い!痛い!痛いよ、痛いいぁぁあやめて!殺すな!!
 右目のこぶよ、エデアさん!マザーが、未来が! 止まる・・・
 聖地を・・・よくも・・・助けて、殺す、助けて、助けて」
錯乱!!
ウソだろ、初めて垣間見たそれがホントのお前?
ひでェや、言ってることバラバラだ。
そんな憎悪に塗れた悲痛な声で。
・・・だけど、その中にお前がいる。
ン、分かったよ、了解。
照らしてくれて、さんきゅ、リオ。

後は簡単だった。
ただ言われた通り、処理すりゃ良かったんだから。
倒れたそいつがむざむざと晒け出した身体の裏側には、
これまでに無くでかでかと、クレッシェンドの痣が刻まれていた。
オレの方も分かりきってた。
奴渾身の置き土産が、よりによって過去の死因を再現してくれたから。
キャプテンの息子というだけで直々に次期船長へとのし上げられ、
父亡き後、部下達の膨れ上がった反感の餌食となった、
その肺を貫く刺し傷を。

オレは殆ど倒れこむように座りこんで、
年期の入った石壁にもたれかかっている。
右胸にあいた穴からは、真っ赤な血が愉快なくらいダラダラと流れ落ち、
腐った皮膚面に触れたとたん、嘲笑う様に馴染みの土色へと変化する。
リオは・・・頭痛、治まったかい。
まだ頭がぐらぐらするのか、おぼつかない足取りでこっちへ向かってくる。
良かったな。
お前、もう自由じゃん。
笑ってくれよ。
視界も霞んできたし。
リオ。
やめてくれ。
その柔らかな手をオレに伸ばすな。
哀れむべきはお前自身だ。
本部の救援なんか一度も無かったじゃねえか。
全てを捧げて逝くオレを静かに見守っちゃくれねえの?
最後に、オレにその命を奪わせようってか?
頼むよ、嘘だろ、やめろ。
気が狂いそうだ。

頬に。

唇に。

深い慈しみに包まれる様な、温かな感覚が訪れた。
彼女を包んでいる布がずるりと溶けだす。
目を落としたエデアは、露わになった彼女の左手甲に一瞬何かを見た。

ケロイド?
右辺のない、鋭く尖った三角形。
少しいびつだが、確かに道中飽きる程見てきた形の傷痕だった。
頭の中で何かが繋がり弾ける音。

ああ、そうか。
お前か。
世界を救おうとしていたのは、お前だったのか。

リオの内なる記憶がマザーと呼んだ死体の横に、
カタコンベの中枢には似つかわしくない無骨な鉄製の扉があった。
壁との隙間から、美しい緑色の植物がはみ出ている。
奴等の母が護っていた、その小さな扉の向こうには何がある?
オレもリオも、もうここから一歩も動けない。
なあリオ、お前が昔、何よりも大事に育んでいたものが、
そこに眠ってんじゃないのかね・・・。

全く、目が先にダメんなって良かった。
腐り落ちていくリオの顔を鮮明に見なくて済む。
触覚はまだ未練たらしく残っている。
オレの顔に重なっている頭部が胸板にずり落ちた。
傷を塞いでくれるのか?
腐肉が地面に垂れ落ちる僅かな音もやけにはっきり聞こえる。
オレに覆い被さって、リオの体重が軽くなっていく。
お前は、果たして何を救った?
運良く命永らえたこの世界か?
孤独な一人の腐れた男か?
それとも・・・お前自身?
ねぇ・・・オレもさ、眠くてたまんねェや。
温かいうちに二人で寝てしまえばいい。
お前の死に顔が安らかだった事、それだけをただ祈りながら。

...Fin


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最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

リオの過去については、文中で結構分かりやすくバラしてしまいましたが、
いつか機会がありましたら紐解き謎解きしたいと思います。
ではでは、それまでしばしのお別れ。

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by 2-ji | 2011-11-15 08:46 | ▲ 創作キャラ 【New!】
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