二次創作絵等ブログ。
by aru
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小話 イールとマスター

まだ、カフェ・グラスホッパーがマスター1人で運営されていた頃。
朝早く、彼がいつものように開店準備をしていると、不意に玄関のベルが鳴った。
外にはCloseの看板が出ているはずだが
相手はそれを全く意に介さぬ様子で、ベルを等間隔に鳴らし続ける。

またあいつか。

彼は渋々ドアの鍵を外しにかかった。


  ・  ・  ・


外に立っていたのは細身の鳥人。
羽飾りのついたシルクハットを目深にかぶり、
ロングヘアも手伝って、その表情をうかがい知ることはできない。
大きな懐中時計を肩にかけ、これまた大きな古びたトランクを持っている。

「・・・いくらお前の体質には目を瞑るとしても、この時間は無いだろう。
 それとも看板の字が読めないのか!」

マスターは、しれっと立っている鳥人に罵声を浴びせた。
相手は「まさか」と言い軽く会釈すると
おもむろにマスターのわきをすり抜け店内へ入ってくる。
マスターはいよいよ諦めざるを得なかった。
彼は肩で大きなため息をつき、
Closeの看板をしっかりかけ直してから鍵を閉めた。

「で? イール、今日は何だ」

「そうだね、“いつもの”と言いたいところだけれど、
 今日はまだ目が醒めきっていないからね。ブラックコーヒーを頼むよ」

「ったく、私の方がよっぽど眠い・・・」

名をイールというこの鳥人、
カフェのまだ数少ない常連客で、マスターの古い友人である。
多少マスターに顔がきくせいか、わざわざ常識外れな時間にやってきては
平然と安いメニューを注文していく事も度々あった。
勿論、それについてマスターは一度たりとも良い顔はしなかったが。

「まだかい?マスター。歪が狭くて長いこと居られないんだ。
 今日の仕事は忙しいだろうなぁ・・・」

カウンター席の定位置にすっかり腰を落ちつけたイールは、
手製の懐中時計を見ながらマスターに呼びかける。
最後は殆ど他人事のような口調だ。

「ええい、今豆を挽いとるだろうが。
 まだ店の準備も終わっていないんだぞ。こっちの身にもなれ」

既に店内には、挽きたての豆が香ばしい香りを放ちはじめている。
マスターは、食器棚から取り出した2つのコーヒーカップを並べ、
とびきり濃いブラックコーヒーを丁寧に注ぎ入れた。

「特製・早朝ブレンドだ」

1杯はイールに手渡し、もう1杯は自分が持って、
カウンター奥の小さな椅子に腰掛ける。
イールは涼しい笑顔で「ありがとう」と言い
カップを鼻に近づけ、その深い香りを楽しむと
早速ひとくち、長い嘴に流し入れた。


  ・  ・  ・


「お前、何回うちの開店時間を狂わせれば気が済むんだね」

イールは満足そうにコーヒーを味わいながら、
悪かったとばかり肩をすくめる。

「・・・まあいい、どうせここは客が少ないからな。
 大体お前とは付き合いが長い。もう慣れた」

そうは言ったものの、マスターは気難しい表情を崩さなかったし、
その口調には自分に言って聞かせるような響きが含まれていた。
言い終わり、ちらとイールの方を見なおすと
彼はまたさっきの無神経な顔をしてコーヒーを飲んでいる。
マスターは呆れかえって暫くそれを眺めていたが、
ふと思い出したように声をかけた。

「そういや、お前と知り合って随分経つが、
 一度も顔を見た事が無いな」

「・・・そうだね」

イールはそっ気ない返事を返す。
マスターは不満そうにしていたが、先にコーヒーを飲み終えると
やれこんな話をしている場合ではないと店の奥に引っ込みかけ、
そこでイールはやっと顔を上げた。

「・・・見たいのかい?
 君がそうしたいって言うなら別に構わないよ。他に客がいないからね。」

マスターは肩越しに振り返り、「興味あるね」と言うと
再び彼の前に腰を下ろした。


  ・  ・  ・


イールの骨ばった細長い両腕が、ゆっくりと帽子へのびていく。
と、すんでのところで今の話を無かったことにでもするかのように
さっと手を下ろし、改めてマスターに向き直る。

「・・・先に言っておこう。
 これから君が見ようとしている私の顔について、一切口外しない方がいい。
 それと、私の顔を見たことで、君に受難が降りかかるかもしれない。
 正確には、いずれそれに巻き込むかもしれない。それについて了解を得たい」

「おいおい、いささか仰々しすぎやしないか。
 そりゃ、どんな面だってんだ一体・・・」

イールは黙ってこちらを見ている。
どことなく不敵な笑みをたたえているようにも思えるが、
その瞳は帽子の影の奥深くにしまいこまれており、全く見えない。
しかし、彼がどうやら冗談を言っているわけではないことなら、はっきり判る。

「・・・構わんよ。
 私はお前を信用している。
 それに、お前はその受難とやらが起こる前に、
 それを私に見せる必要があるのではないかと感じているような気がする。
 私が、お前にとってそれだけの資格を与えて良い人物なのか、
 それはお前が一番良く分かっているんじゃないのかね。
 見せてみろ。一向に構わん。」

イールは今度こそ、観念したふうに肩で小さく笑った。
「かなわないね」そう言い、彼はあろうことか自分の顔に
終了



これ以降は物凄くネタバレなので、
ここではもう公開できません。ゴメンネ!

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by 2-ji | 2008-08-21 09:13 | ▲ 創作キャラ
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