二次創作絵等ブログ。
by aru
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はじまりの裏側

妖怪の里ってこんなところだよ的プロローグのあと、
主人公のシェシェにスポットが当たり、
一話完結のご近所妖怪ストーリーが展開されます。

話が進むにつれ、シェシェはリシーヤに拾われてきた
血のつながりの無い兄妹であることが明らかになったり、
里の子供妖怪達が人の街に肝試しに行ったものの、
シェシェだけ人間に見えてしまい、益々タオにからかわれたりと、
わりかしベタな感じの過去の伏線が徐々にちらほら。

あくまで雰囲気だけ作りたかったので、
細かい部分いっきに省いて以下ネタバレです。
このあとも最終回~エンディングまでなだれ込みます。




~リシーヤとシェシェの本当の出会い~

中国北部で生まれた妖怪リシーヤは、
妖怪の目指す永住の地『妖怪の里』を求めて中国全土を彷徨い、
里の入口があるという噂を聞きつけて、南部のとある街にやってくる。

雨の中。
リシーヤはその街で、今にも死にそうな女の子を見つけた。
本来妖怪は生者には見ることも触れることも出来ないが、
生死を彷徨っていた彼女は、近づいてくるリシーヤに気が付いた。


  ・  ・  ・


リシーヤは彼女の前まで来ると
『何故生きることを拒む』と聞いた。
言葉ではない、それは意思による問い掛けだった。
訊ねられて女の子は相手が人でないことを確信し、
虚ろな目をしたまま意思の返事を返した。

『生まれてこない方が・・・良かった』

目の前に映る仮面の妖怪は
その返事を聞いて何か考えついた様子だったが、
女の子はそれ以上、その妖怪の姿を見ることは無かった。
彼女は力尽きて、もう目を開けることすらままならなかったのだ。
そのまま彼女は動かなくなった。
流しっぱなしだった彼女の涙が
頬をつたって雨と一緒に流れていった。


  ・  ・  ・


リシーヤは、彼女が生きられなかったのではなく
生きることを拒否しているのだと感じ取っていた。

この女の子は放浪者だった。
物心ついた時には身売りに出されており、
孤児院という名の工場で重労働を課せられていた。
耐えかねた彼女はついに脱走を決心し、
決死の思いで孤児院から逃走した。

結果、運良く逃げ切れたが、ますます状況は悪くなった。
食べる物も無く、餓えと寒さに苦しみながら彼女は幾多の街を転々とし、
最後にこの街にへやってきたところで座り込んでしまった。
彼女にはもう、生きることに対して絶望以外の感情を持てなかったのだ。


  ・  ・  ・


彼女が動かなくなっても、もとより放浪者の多い街外れ。
通行人は気に留めるそぶりも無い。
リシーヤは、そっと彼女を抱え
そのまま横の細い小道へと入っていった。

座り込んでいた女の子の姿が消えても、
なおもそれに気づいた者は一人としていなかった。


  ・  ・  ・


目覚めると布団の中だった。
目を擦る。意識が動き出し、景色の輪郭がぼんやり見えてくる。
女の子は粗末な小屋の中にいた。

横になったまま軽く伸びをして、そろそろと立ち上がる。
女の子の着ている服は薄汚れた作業着ではなく、
ゆったりとした風通しの良い民族衣装だった。

戸を開け放ってある縁側から鳥の鳴き声が聞こえる。
今日は気持ちの良い天気だ。彼女は外へ走り出た。

そこは冷たい石畳の路地ではなく、
暖かな日差しが降り注ぐ大きな庭だった。
庭はまるで手入れがされておらず、
すぐ向こうの山との境界線が分からない程の荒れ様だ。
彼女は顔を洗おうと、庭に転がっていた桶に汲み置きの水をはった。
水面に映った彼女の肌は青白く、髪は真っ白に染まり、
目の周りを覆う隈は体温を吸い取るような暗い藍色。
とりわけ異彩を放つのは、大熊猫の耳が2つ、頭にちょんと生えている事。
しかし彼女はそれを気にも留めず、顔を洗いはじめる。
あの街にいた姿を忘れてしまったのだろうか?


  ・  ・  ・


その時、後ろで物音がした。
逆光でよく見えないが、人影が立っている。

「謝謝、起く?」

人影は、低く澄んだ声でそう聞いた。
"シェシェ"と呼ばれた女の子は

「うん。おはよう、兄ちゃん!」

と、人影・・・
あの仮面の妖怪に、笑顔で答えた。


▼ 続
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by 2-ji | 2008-08-21 10:48 | ▲ 創作キャラ 【New!】
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