二次創作絵等ブログ。
by aru
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カテゴリ:▲ 創作キャラ( 110 )

End of Messiah

なあ。
これ、痛覚ってやつかね。
久しぶり。
ちょっと卑怯なんじゃねェの?
半端に余計なもん思い出させてくれやがって。
どうせなら温かい血と無害な肌も下さいよ。

妙な技を使う。
滑稽な合成装置に繋がった巨大な肉塊に、
様々な動物の部品が悪戯にひっついて、醜いマーマだ。
切り裂かれた腹部と思しき部分からは血と羊水、
これまた母親に似たり寄ったりの胎児の断片が吹き零れている。
エデアは鞭の先端の刃で奴の“生産”を止める代わり、
奴が伸ばしたカギ爪付きの触手に貫かれていた。
幾度も深い傷を負わされた触手は、
エデアの体内でも休むことなく再生を続け、すっかりいびつになっている。
それがどう此方に作用したかは分からないが、
胸のあたりに燃えるような熱が走った。
やべえ。
エデアは奴に突き刺さっている刃を引き戻し、
手元に返ってくるや否や己の身体から突き出た触手を刈り取った。
奴の一部を喰った右胸はそれと同化し、
エデアの古傷を忘れていた感覚と共に蘇らせつつある。
ヒューゥ。
こりゃとっとと仕留めねえと、分が悪ィや。

しかしね。
今までのこいつ等って言えば全生命を殺し合いに賭けてる感じで、
モロかったし後腐れなく息絶えてくれたんだけど。
何こいつ。
明らかにタイプが違う。
見た目もマズいし。
まるでオレみたいだ。

リオはこの部屋に踏みこむ前から、
何の予感がしたのか、ガチガチ歯まで鳴らして震えていた。
オレがこいつと戦い始めてからなんざ、
頭を両手で押さえこみ、部屋の隅にうずくまっている。
痛むのか。
閉じ込められていた記憶が暴れだして頭ン中を引き毟っているのか?
この化物を前に、オレはどうやら倒れられない。
オレが動かなくなったら、次はリオだ。
ハッ、御冗談。


「右目のこぶ・・・」


リオの声がした?
それを認識する間も無く。
「いやああああぁ!!
 痛い!痛い!痛いよ、痛いいぁぁあやめて!殺すな!!
 右目のこぶよ、エデアさん!マザーが、未来が! 止まる・・・
 聖地を・・・よくも・・・助けて、殺す、助けて、助けて」
錯乱!!
ウソだろ、初めて垣間見たそれがホントのお前?
ひでェや、言ってることバラバラだ。
そんな憎悪に塗れた悲痛な声で。
・・・だけど、その中にお前がいる。
ン、分かったよ、了解。
照らしてくれて、さんきゅ、リオ。

後は簡単だった。
ただ言われた通り、処理すりゃ良かったんだから。
倒れたそいつがむざむざと晒け出した身体の裏側には、
これまでに無くでかでかと、クレッシェンドの痣が刻まれていた。
オレの方も分かりきってた。
奴渾身の置き土産が、よりによって過去の死因を再現してくれたから。
キャプテンの息子というだけで直々に次期船長へとのし上げられ、
父亡き後、部下達の膨れ上がった反感の餌食となった、
その肺を貫く刺し傷を。

オレは殆ど倒れこむように座りこんで、
年期の入った石壁にもたれかかっている。
右胸にあいた穴からは、真っ赤な血が愉快なくらいダラダラと流れ落ち、
腐った皮膚面に触れたとたん、嘲笑う様に馴染みの土色へと変化する。
リオは・・・頭痛、治まったかい。
まだ頭がぐらぐらするのか、おぼつかない足取りでこっちへ向かってくる。
良かったな。
お前、もう自由じゃん。
笑ってくれよ。
視界も霞んできたし。
リオ。
やめてくれ。
その柔らかな手をオレに伸ばすな。
哀れむべきはお前自身だ。
本部の救援なんか一度も無かったじゃねえか。
全てを捧げて逝くオレを静かに見守っちゃくれねえの?
最後に、オレにその命を奪わせようってか?
頼むよ、嘘だろ、やめろ。
気が狂いそうだ。

頬に。

唇に。

深い慈しみに包まれる様な、温かな感覚が訪れた。
彼女を包んでいる布がずるりと溶けだす。
目を落としたエデアは、露わになった彼女の左手甲に一瞬何かを見た。

ケロイド?
右辺のない、鋭く尖った三角形。
少しいびつだが、確かに道中飽きる程見てきた形の傷痕だった。
頭の中で何かが繋がり弾ける音。

ああ、そうか。
お前か。
世界を救おうとしていたのは、お前だったのか。

リオの内なる記憶がマザーと呼んだ死体の横に、
カタコンベの中枢には似つかわしくない無骨な鉄製の扉があった。
壁との隙間から、美しい緑色の植物がはみ出ている。
奴等の母が護っていた、その小さな扉の向こうには何がある?
オレもリオも、もうここから一歩も動けない。
なあリオ、お前が昔、何よりも大事に育んでいたものが、
そこに眠ってんじゃないのかね・・・。

全く、目が先にダメんなって良かった。
腐り落ちていくリオの顔を鮮明に見なくて済む。
触覚はまだ未練たらしく残っている。
オレの顔に重なっている頭部が胸板にずり落ちた。
傷を塞いでくれるのか?
腐肉が地面に垂れ落ちる僅かな音もやけにはっきり聞こえる。
オレに覆い被さって、リオの体重が軽くなっていく。
お前は、果たして何を救った?
運良く命永らえたこの世界か?
孤独な一人の腐れた男か?
それとも・・・お前自身?
ねぇ・・・オレもさ、眠くてたまんねェや。
温かいうちに二人で寝てしまえばいい。
お前の死に顔が安らかだった事、それだけをただ祈りながら。

...Fin


←Catacombes

▲ 続き。
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by 2-ji | 2011-11-15 08:46 | ▲ 創作キャラ

Catacombes

エデアはずっと腑に落ちないでいる。
何故、リオが寄越された?
彼女は僅か1年の見習いだ。
全てにおいて経験が浅い。
女の割にはそこそこタフだが、どう控え目に見ても足手まといだ。
彼女はこれをどう思っている?

異変について詳しく聞かされる事は無い。
だが、巣窟に近付くにつれその数を増し、
群れを成して襲いかかってくるキメラ達は、事態の深刻さを物語っている。
奴らに潰された町も見た。
皆殺しだった。
動かなくなった子供の蛆が湧く傷口を、首輪をつけた犬が舐めていた。
“進級試験”だと?
随分ヘビーだな、オイ。

「きっとこの付近だわ・・・違いないと思うんだけど・・・」
岩壁に行く手を阻まれ、鬱蒼と茂る背の高い草木の中で、
リオはぶつぶつ言いながら周囲を調べ回っている。
エデアは小さく溜息を吐いた。
さっきから何度もキメラに襲われているってのに、もはや堂々としたもんだ。
オレと言えば完全に臨戦態勢、利き手に得物、対の手は剥き出しってのに。
「エデアさん、ちょっと!」
後ろでリオが呼んだ。

「見て、これ。 この岩の裂け目、何か不自然じゃない?」
リオが指差したのは、一見何の変哲もない岩壁の一部だった。
確かに大きな亀裂が走っている。
閉めた扉を思わせなくもない。
エデアが近づこうとした途端、岩が音を立ててずれはじめた。
ビンゴ。
カモフラージュを解いた石扉は大口を開け、中から猿頭の巨大なキメラが現われ出た。
頭が不気味に肥大化している。
身体は熊の巨体。
口は無く、本来口のある部分に、あの痣がはっきりと横切っている。
そいつはリオに半分突き出たオレンジのような目をぎょろりと据えた。
「・・・・・・・・・っ」
急にリオが額を押さえてうずくまる。
「あ・・・あ・・・・・・? ・・・赤い、霧・・・動、か・・・・・・兵士?
 ・・・罠!嫌、殺される・・・痛い・・・頭・・・・・・」
猿の目が見開かれ、丸太の様な腕が振り上げられた。
「チッ、何しやがった?!」
エデアの放った刃がリオの頭上を飛び、猿の片目に突き刺さった。
相手は苦痛の叫び声を上げ、がむしゃらに腕を振り回す。
リオの周囲に拳が降る。
このままでは彼女に当たる!
間に合え・・・!!
ドッと鈍い音がした。
キメラの腕が肩からもげ落ち、リオをかすめて地に落ちていた。
頭部からは腐肉が垂れ落ち、白い骨が覗きはじめている。
「・・・手・・・も、飛・・・ばした、のね・・・」
切れぎれに言い、リオは気を失った。

エデアは彼女の傍に駆け寄った。
良かった、息はしている。
今は痛がっている様子もない。
安心しても良さそうだ。
後で気付け薬を飲ませるか。
続いて腐敗を続けるキメラの前まで歩いて行き、
死体の中から得物をまさぐり出すと、
刃に貫通している己の手を抜き取って、無理矢理手首に押し込んだ。
その手でキメラの肉をわし掴み、かじりつく。
暫くして、エデアの手首からじわじわと腐肉が湧き出した。
また一掴み、貪る様に喰っていく。
連戦で減った肉体が少しずつ元に戻っていった。
後ろで物音がした。
「・・・見たのか?」
エデアは振り向かずに聞いた。
「本当はこんなモン喰いたくねェよ」
「分かってる。ありがと」

向き合ったリオは両腕で自分の肩を抱いて座っていた。
「ねえ、さっき、私どうしてた? あのキメラに睨まれてから。
 変ね、頭がくらくらして・・・まるで混乱してるみたいよ」
リオは何かに脅えている様な、それとも喜んでいる様な、
奇妙な表情をしていた。
「何か、口走ってたぜ。・・・霧だの、兵士だの」
「・・・それ、キメラの記憶なのかしら。それとも・・・私?」
「さァな。オレには幻覚を見せられてる様に見えたがね」
リオは静かに立ち上がり、洞窟の入口を見据えた。
「・・・なんだっていいわ。さあ、早くしましょ。
 あそこ、いつまで開けてくれてるか分からないもの」
また、お前の記憶だか心だか、弄られるかも知れないのに?
エデアには言えなかった。
文句こそ垂れたが、彼女が弱音を吐く事はこれまで一度も無かった。
リオが選ばれた理由が解った様な気もした。
同時に、キナ臭いのは本部の方かも知れないとも。
エデアは返事の代わりに腐肉がこびり付いた刃を抜き捨て、
己の顔先で拳を突き合わせる様に、二回り大きな代え刃を
しっかりと得物に取り付けて見せた。

End of Messiah→


River ideaから、またまた随分日数経過しました。
ラスト先にありきの話なので、以上で伏線を収集できたか分かりませんけど。
次で最後です。本当に拙いながらにお付き合い下さりありがとうございます。

※洞窟…
話の中で書けなかったので注釈で。せこい。
カタコンベ、地下墓地です。
古くからそこにあったのか、態々造られたものかは解りませんが、
今では人間ばかり襲うキメラ達の巣窟になっています。
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by 2-ji | 2011-11-15 08:38 | ▲ 創作キャラ

River idea

彼と行動を共にするうちに分ってきたことがある。
このヒト、ただ腐ってるだけじゃないんだわ。
肌に触れたもの何でもかんでも、腐るものなら全部腐っちゃう。
倒したキメラをわざわざ腐らせてる時は、そういうことも出来るのかと思ったけど、
普段はグローブをはめてるから、本人の意思とは無関係みたい。
身体に宿った怨念の塊がそうさせるのかしら?

そこそこ彼を見慣れてきた私は、
ほんの時々うっかり彼に手を伸ばす事がある。
だって、顔になんか付けてる時が多いんだもの。
寝起きに細かい石をべったり頬に貼り付けてた時はびっくりしちゃったわ。
苦笑される時もあれば、不意だと本気で驚かれる事もある。
彼にこの話をすると、大抵軽い口調で『体質だから』って目を逸らされて終わる。
それ、結構寂しそうなのよね、いちいち。
なんか、気になるじゃない。

「リーオ」
「!」
「またオレの顔になんか付いてんの?」
「・・・ううん、何も付いてないわ」
「じゃ何でこのへんボーッと見て歩くワケ、躓くぜ」
「貴方こそ、いつの間に後ろ歩きしてたの?そっちの方が危ないじゃない。
 こけて頭でも打ちつけたら、よっぽど大惨事だわ。
 流石に髪の毛は削げないでしょ?」
「へーい、へい」
エデアは飄々とした口ぶりで前方に向き直り、
迫ってきた大きな木の根を軽いジャンプで避けて見せた。

・・・そういえば、いつから名前で呼ばれ始めたんだっけ。
彼の分のご飯用意するようになってからだったかしら。
(オッ、えっと、ありがと、リオさん?)
そうそう、確かこんな感じだった。
そして私は薄情な事に、彼の名前をはっきりと思い出せないでいる。
ラーバリスで町長から数度又聞きしたきりだもの。
自分のこといーかげんなこのヒトよ、自己紹介なんて何も無かったわ。

森が開け、狭い盆地に出る。
遠目に次の町が見えた。
良かった、日暮れ前に着けそう。
本部から渡されていた地図を開き、現在地を確認する。
正面に腰を下ろしたエデアが“あとどんくらい?”と素気なく聞いた。
もう数日もあれば目的地に着くと答える。
本部が調べ上げたらしい、キメラの発生源。
「でも、詳しい場所は分かってないの。
 この付近に着いたら私達で探す必要があるわ」
「あっそう」
聞くなら、今ね。

「・・・ねえ、貴方の名前の由来って、聞いても良い?」
「何、いきなり」
「何となく。私、自分の名前の意味、知らないから」
「へェ?」
「記憶が無いの。師匠に拾われる前の事は何も覚えてないわ」
「そりゃ難儀なこって」
「別に、そんなでも無いと思うわ。
 本部の師匠の部屋に住まわせて貰ってたもの。
 寝食にも不自由しないし、勉学の場も与えられたわ。
 これが終われば、助手として仕事を貰えるようになるかも知れないのよ。
 きっと身寄りのない人達の方が、私なんかよりもっとずっと大変だわ」
「・・・オレの名前はキャプテンが付けた」
「キャプテン?」
「オレ、元海賊なんだわ。・・・ダイス、って聞いた事あっか?」
「凄い!本で読んだ事あるわ。歴史上最も悪名高い海賊軍ね」
「ま、異論はねェな。
 神聖な光の女神サマにちなんで付けられた名だとさ。
 真っ暗な夜の海で船が迷わん様に、ダイスの旗が永遠である様に、
 てめー等の繁栄を込めて」
「へぇ・・・なんか、素敵じゃない」
「ハッ、今じゃこの始末だ、下らねえ。
 ダイスが何で滅びたか知ってるか? 内部反乱だぜ。
 オレが抑えらんなかったの。
 もうそういうのオレ、疲れちまったよ、リオさんよ」
「・・・」
「ラーバリスのモンてな、皆そういうのばっかなんだ。
 正直、だせーよ。古傷舐め合う集団なんてよ。気味悪ィ。
 でもよ、しょーもねえけどそれで救われたってのも、事実なんだわ。
 だ~か~ら、早いとこ終わらせちまおうや? ちゃんと手ェ貸すから」
「・・・私、途方もなく申し訳ない事してるみたいね、やっぱり」
「お前の所為じゃねェだろ。それで謝るのはお門違い。
 なあ、もう寝ない? その木の隅、寝転がるのに丁度良い」
「ええ?もう?まだ日も沈んで無いのに・・・」
「何想像してンだよ。お前をオレが襲うワケねっしょ」
「ちょっと!急ぎたいって言ったの貴方じゃない!
 ・・・ああ、ほんと、確かに賊ね。品の無さって言ったらないんだから」
エデアはもう木の傍で仰向けになっている。
幹に頭は預けないで、根のこぶに投げ出した足を乗せて。
髪に触れ、溶けだした草花が枕代わりだ。
うん、今宵の枕は結構広い。
あれなら、朝一番に奇天烈な顔見なくて済みそう。
しょうがない、本日はここまで。
私も少しパンをかじってから、ひと時の眠りに落ちよう。

・・・夜明け?
日が昇ってから目が覚めるなんて。
眠りの浅い私にしては珍しい。
町へ伸びる街道の続く先に顔を出した朝日が眩しい。
ちらと横で眠りこけている連れを見やる。
私が起きた事に気が付いたのかぴくりと動くと、
ひどく眠たげな目を寝そべったまま片手で擦る。
「おはよ、エデアさん」
あ。
その名前が、自然と口をついて出た。

Catacombes→


Supperから更に暫く経った頃?
さてこの中に一体幾つのこじつけがあるんだか。
でも場合によってはその方が、かえってそれらしくなる事ってありませんか?
共通点見っけてのナンセンスギャグが好きな要因かもしれませぬ。

※細かい石をべったり…
朝、リオに“なんかついてる”と言われた時は、
処理の最中を見られないよう背を向けてさっさとこそぎ落とした後、
少し多めに朝ごはんを要求します。
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by 2-ji | 2011-11-15 08:29 | ▲ 創作キャラ

Supper



貴方も、食べるの?!

何だよ、アンタ、オレのこと電池無しで動く便利な機械とでも思ってたワケ?
肉、減るんよ。
垂れっぱなしじゃん。
補充する必要があンの。
それ、くれない。

言って、リオが手にしたベーコン入りのホットサンドを指差す。
彼女はとぼけた目をして一口かじったベーコンサンドとエデアを交互に見、
恐る恐るに渋々を付け足した様子でパンを持つ手を差し出した。
エデアは間髪容れずにそれをヒョイと片手で摘み、
口で空いた方の手にはめていたグローブを引き抜いた。
腐肉の糸を引いて、食事時には強烈な印象の素手が現れる。
まだパンを口に含んでいるリオが怪訝な顔をした。

安心しなって、続きは向こうでやるからさ。

エデアはグローブを噛んだまま器用に喋ると
パンを持った方の手をついて立ち上がり、
目に付いた薮の方へぶらぶら歩いて行ってしまった。
と、同時に周囲の空気が澄んでいき、思わず伸びをする。
リオは夕暮れの涼しい風が運んでくる青々と茂った草木の匂いを思い出していた。
ここは町と外部とを区切る囲いから少しばかり離れた草むらだ。
羽虫が煩いけど仕方ない。
ネクロマンサーが死者を連れて住居区へ入る事は禁じられている。
確かに、彼みたいのを町へ連れてったら、
住民から驚異とひんしゅくの眼差しは受けれど、良い事何も無いわよね。
買い物ひとつ満足に出来なさそう。
強盗のお供には良いかもしれないけど。
ころころと転がすように空想を巡らすのは彼女の得意技だ。
そんなだから、一人の時間はすぐ幕を閉じる。
既にリオの鼻にも馴染みつつある腐臭をまとって、エデアが戻ってきた。

あの、美味しかった?
私の晩ご飯。

ぜーんぜん。
味なんかカンケーないね。
オレがどうやってモノ喰うか知らんでしょ?

・・・?
どうやるの?

この手でな、ドロドロに腐らせて喰うんだよ。
・・・や、嘘じゃねえんだわ、残念ながら。
腐ったモンしか身体が受け付けねェの。
虚弱体質だから、オレ。

・・・・・・貴方が気を利かせてくれて良かったわ・・・。

エデアの笑えない冗談を聞き流し、ひもじいお腹をさする。
その様子を見たエデアが少しすまなそうに苦笑した。
あら、そんな顔するんだったら私のご飯買って来てくれても良いのに。
言いかけてリオは口をつぐむ。

・・・私、もう一回ご飯買ってきます。

あ、じゃあオレのも。
正直あれくらいじゃ足ンない、全然。

先程の表情はどこへいったのやら、まるで悪びれない態度。
リオは一人腑に落ちない顔をして、
二人分の遅い夕食を買いに、街灯が灯り始めた町の中へと入っていった。

River idea→


道中の小話。
secondすぐの続きでは無い。
つまり、エデアは数日間食べてないってこと。
悪いのは一行目からダイレクトにリオだけど
(らーばりすのひとは対等に扱いましょうね)言わない方も言わない方。
単に最初の台詞を思いついてメモ代わりに書いたら止まらなくなったっちゅう。
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by 2-ji | 2011-11-15 08:13 | ▲ 創作キャラ

Messiah second



異変て、コレ?

どうやら連れに説明して貰う手間が省けたらしい。
谷を抜けてすぐ奇怪な光景が目に入った。
細い川を挟んだ向こう岸に宙を舞う奇妙な影。
なんだアイツら。
烏の胴体から蛇の鎌首が伸びている。
そんなものが3匹も4匹も、人間と思われる死体に群がっていた。

「助けなきゃ!」
少し遅れて追いついたリオが、エデアの後ろで声を上げる。
不用心な高い声。
「おいおいアンタ、タダの死体助けてどーすんの」
エデアは声を潜めて彼女をたしなめた。
奴らの標的を換えるのは、上手いやり方とは思えない。
彼女も声を荒げたのは不味いと思ったらしく、小声で応じた。
「あいつ等、生きた人間しか襲いません。
 無差別に、死ぬまで執拗に追い回すの。
 だからあの人はまだ、息がある筈」
じっと、向こう岸の赤い一点を見つめている。
どうも助ける気満々らしい。
エデアは内心毒づいた。
言ったって、ありゃもう助からんだろ。
全くこの箱入りのお譲さん、戦いにも不慣れときた。
情に流されて動かれちゃあ、こっちがヒヤヒヤでたまんねェわ。

『ここに居ろ』と言いかけたが、リオはそれ以上動こうとしなかった。
成程、ネクロマンサーとはあくまで指揮官らしい。
エデアにとってもそれは有難いことだった。
標的を定め、鋭い目つきで動きを捉える。
右手は既に、死んだ時そのままに腰に括り付けられていた、
得物の懐かしい感触を確かめている。

不意に、奴らの一匹が向きを変え、
川を挟んで木の影に潜むエデアを睨みつけた。
エデアは思わず舌打ちする。
面倒くせえ、正面対決かよ。
しかし奴らはそれ以上、一切此方に関心を示さない。
どうやら、とうに気付かれていたらしい。
蛇の嗅覚なら当然か。
"生きた人間しか襲わない"
それでラーバリスのモンをご指名か。
まあまあ出来た話だな。
ただの単調作業じゃねえか。
だがエデアの死臭をまとっているとは言え、
あの人間が事切れたらリオに向かって来ないとも限らない。
「よし、アンタそのまま少し待ってな。すーぐ片してやっから」

集中。
奴らは赤く染まって動かない人間の周りを旋回しながら、銘々に攻撃を加えている。
こういうのは演算処理だ。
パターンは把握した。
後はタイミング。
奴らの体が宙で重なり合う直前、その瞬間。
エデアが動いた!
まるで射られた弓矢のように、妙な形状の刃が空を切る。
根元にフック状の鎌の付いた鋭い短剣が、
川向こうの烏どもの胸を貫き、蛇の頭を刈った。

シャアアアア!

取り逃した一匹が激しい威嚇音を出し、狂った様にエデアに向かって来る。
驚いたリオが小さく悲鳴を上げた。
エデアは既に得物を放って無防備だ。
蛇の牙が迫る。
ドウッと硬いものが肉にめり込む音。

「伊達に尖ったクツ履いてねえよ」
エデアの靴先が烏の左胸を正確に突いていた。
最後の一匹は地面に落っこちてヒクヒク痙攣している。
「学習するなんて・・・貴方なら襲われない筈だったのに・・・」
「ま、コッチが先に手出ししたんだし?
 敵と認識されたところで騒ぐこともねェさ。
 どっちにしろ大して変わらんし」
言うと、何かを引っ張るふうに、ぐいと右腕を強く振る。
川向こうで烏に刺さっていた刃がシュッと音を立て
勢いよくエデアの手元に戻ってきた。
危なげのない手つきでそれをキャッチする。
エデアの獲物は戦闘用に改造の施された鞭だった。
先端に刃が取り付けられ、盗賊のカギ縄か、船の錨にも見える。

エデアはしゃがみ込み、この奇妙な生物をまじまじと眺めた。
注目するは首の境目。
得物の先端を使い羽毛を剥ぐ。
繋いだ痕でもあれば人工物という事になる。
しかし蛇の首は、明らかに烏の身体から生えていた。
「へェ、凄いモンだね」
その頭を指で転がすと、
反対側の目の周りに、美しい形をしたクレッシェンドマークの痣があった。
・・・なンだ、造りましたってご丁寧にサイン書いてあんじゃねェの。
何者かのキナ臭い意図。
やーだね、暑苦しいのって。
エデアは右腕のグローブを外し、顔同様に腐りきって粘ついた手を露わにすると、
キメラの首根っこを掴んで宙吊りにした。
その肌と接触した部分から、キメラの肉が見る間に溶け落ちてゆく。
ぼたり。
脆くなった首と胴が千切れ、エデアの足もとに垂れ落ちた。
肉塊は尚も腐敗を続け、
後には骨と、すっかりみすぼらしくなった、赤黒いへどろのような肉だけが残った。
エデアはケロッとした顔で言い放つ。
「うん、オレって親切」
横目で見ていたリオが不快感たっぷりに眉をひそめた。

Supper→


prologueの続きのような。

ついでに得物の改造鞭の話。
さきっちょについてる刃物、こちらで言うところの
スティレットの付け根にフック状のショテルかハルペーがくっついた感じ。
それはニュートラルのかたち。
何種類か付け替え用の刃物も忍ばせています。
そのまま短剣として使うことも。
あとね、釣り竿みたいにグリップの仕掛けワンプッシュで
長さ調節できるようになってても良いかもしれない。移動時に便利そうだし。
殺傷力との兼ね合いがむつかしいけど。
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by 2-ji | 2011-11-15 08:06 | ▲ 創作キャラ

Messiah prologue



「エデア、珍客だ」

玄関に立っていたのは細身のフランケンシュタイン、
ラーバリス次期町長のランキスだった。
「ふゥン・・・いつものことじゃん。今ちょっと、見りゃ分かるだろ。後で顔出すわ」
奥の方で刃物の手入れをしながら、エデアはさしたる興味も無さそうに返す。
ランキスは構わず言葉を続ける。
「違う。住人が増えたんじゃない。人間がこの街に来た」
エデアの手が止まり、濁った目が見開かれた。
「冗談だろ?」
「いや、生きた人間なんだ。それも若い女性が、たった一人」
ランキスは、怪訝そうに首をかしげるエデアを急ぐよう促す。
「町門前に来てくれないか。俺は他の者を集めてくる。
 ・・・少し、面倒な事になりそうなんでな」
言い終えるとすぐ、ランキスは背を向けて行ってしまった。
エデアは彼の去った後を暫く眺めていたが、
やがて気乗りしない様子で立ち上がった。

エデアが町門にやって来る頃には、町の住人はあらかた出揃っていた。
重々しい空気の中、ランキスが白藍色の髪の女性としきりに話しこんでいる。
へェ、あの女か。
生きた人間を拝むなんざ、死に際以来だな。
想像以上に若いんじゃねえの。
山歩きは慣れてるみてェだが。

「つまり、貴女は我が町の存在意義を承知の上で・・・ああ、エデア。来たか」
ランキスは、エデアに気が付くと話を中断し、顔を向けた。
「こちら、リオ=ウィルセフト嬢だ。
 他の者にはもう話したが、近年、この谷の外部で妙な天変地異が相次いでいるらしい。
 彼女はその原因を解明、阻止するため派遣されたネクロマンサーだ」
エデアは飛躍した話にやや困惑し、リオと呼ばれた女性を見下ろす。
彼女は少し怯えたように肩をすくませ、ランキスの隣に立っている。
女性というより少女という方が適当な印象を受ける。
深い谷底にあるラーバリスに今しがたやってきたとは、とても思えない。
「はァ。ネクロマンサー、ねぇ」
「国の命なら本来、契約済みの死体を使うらしいが、
 この任務は極秘で行う必要があるそうだ。
 そこで上層部でも一握りしか存在を知らないラーバリスの住人を使いたいらしい。
 おまけに危険が伴う可能性が高いからな。
 腕利きの死者ばかり揃ったこの町は、人材選びに打ってつけという訳だ」
説明するランキスの口調はどこか刺々しい。
ランキスがこうなるのも無理ねェな。
周りの奴等が浮かねー顔してンのも、その所為か。
「私としては、我々がやっと手に入れた平穏を奪われ、
 まして我が町の住人を抜け殻同然の死体扱いされるなど、不愉快だ。
 本来ならば、すぐにでもお引き取り願うところだ」
「アー、まあ、ねェ」
「しかし、この異変がこれ以上広がるようなら、
 この町の存続にも関わってくる問題だ、という。
 それが本当の話なら、我々としても・・・協力せざるを得ん」
リオという女性は黙ったまま所在なさげに目を伏せている。
大層な仕事を請け負っているらしいが、
なんとも頼りなさそうな女だと、エデアはしげしげ彼女を眺めた。
ふと、彼女のつけた篭手に目が止まる。
なんてこった。
それには古い"役職見習い"の印が彫り込まれていた。
つまり、今ここにいる女性は、ネクロマンサー最下級ということになる。
「たまげた・・・。アンタ、見習いってか。
 ここは生きた人間が容易く来れる場所じゃねえ。
 まして見習いを寄越す様な・・・」
「すみません、私、師匠に進級試験だと言われてここに来たんです」
エデアが聞いたリオの第一声はこれだった。
ランキスの眉が吊り上がる。
「ですが、異変については国の通達ですので、間違いありません。
 私も全力で原因究明に尽くします。どうか、お力を貸して下さい!」
・・・・・・意外と、肝、座ってっかもな・・・。
群衆に向きなおり深々と頭を下げた彼女を、
エデアは呆れた様な、感心した様な気分で見やった。
住人達は相変わらず余所余所しい表情のままだ。
ランキスも固く唇を結んでいる。
まあ、ぶっちゃけココの連中にとっちゃ、いい迷惑だわな。
先の読めねぇスリルにゃ心底うんざりきてるモンの集まりだかんね、
誰も好き好んで外に出たがる奴なんかいねェよ。
ランキスも、まァあいつのことだ、自分が行かにゃあと思ってんだろうが、
町長が居なくなっちまったら、この町自体が成り立たねェしなあ。
この珍事を、まるで他人事のように傍観する自分が少し笑えた。
何か揉め事があると決まってこうだ。
感情がすっぽ抜け、気を抜くと表情さえどこかに落っことしてしまう。
もしかすると皆より己に対する執着心が無いのかもしれない。


「・・・オレ、行くわ」


さほど関心も無さそうに片手を挙げていた。
ランキスが、『やっぱりな』とでも言いたげに、心配そうな顔をする。
エデアは半笑いを作り、だるそうに肩をならした。
「どうせ誰か行かなきゃいけねェんだろ。
 町長は町守んなくちゃなんねーし、
 アンタは鍛冶屋、アンタは宿貸し、アンタは運び屋・・・
 皆して、無くなったら町が困る仕事してんじゃねェか。
 オレ、まだ何の仕事も請け負ってねえし?
 ボディーガード程度なら出来んこたねえさ。
 妥当なんじゃねーェの・・・」
「ム・・・」
「案外すぐ解決できたりしてなァ?」
へらへらと笑ってみせる。
問題の程度など知る由も無いが。

エデアは出発の挨拶もそこそこに歩きだした。
町門をくぐる。
薄霧漂う枯れた森を抜ければ、すぐに生者の世界だ。
ラーバリスの外か。
今じゃ想像もつきゃしねえな。
ランキス達に礼を言い終えたらしいリオが、後ろから小走りでついてきた。
「あの・・・! 本当にありがとうございます。なんてお礼を言ったらいいのか」
ちらと肩越しに振り向くと、
自分の顔を直視できずに一定の距離を保って歩く彼女が目についた。
へ・・・ゾンビを怖がるネクロマンサーとはね。
「お互い、とっとと終わらせてェもんだなァ」
エデアは再び前を向き、軽い口調で呟く。
その顔にもう表情は無かった。

second→

※最下級の印…
全職共通。簡単に言えば、初心者マークと同意義。
エデアが知ってるってことは随分古くからあるらしい。

※Messiah…
彼らの旧設定での話のタイトル。メサイア。

・・・以下はちと余計な話。
ネタバレはありませんが、想像の余地や気付きを奪うものです。
閲覧は本編を読まれてからの方が良いかもしれません。

▲ 続き。
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by 2-ji | 2011-11-15 07:44 | ▲ 創作キャラ

町長として友人として

「リオのことはまだ許せねえ?」
「・・・五分五分だな」

ランキスはフランケンシュタイン。
鎮魂の町ラーバリスの次期町長。
外面は実に事務的。
死人なりにしゃんとしたスーツを着込み、首には町長屋敷のカードキーを下げている。
本当は貫禄たっぷりの町長が別にいるのだが、今はほぼご隠居。
ランキスに全ての仕事を任せ、屋敷の奥で日がな寝て過ごしている。
だから実質、町長と言えばランキスを指す。

仕事内容は雑務に平穏維持、成仏した住人の葬儀取り仕切りに加え、各住人の把握・管理。
特に重要なのが、新しくやって来た住人を迎え入れ、町での暮らしを教え、静かな生活に慣れさせる事。
治安が一気に悪くなるので失敗は許されない。
エデアはランキスが初めて担当した者ということもあり、今では互いに気心の知れた仲だ。
仕事に慣れ、町長らしい振舞いが板についた今でも二人の時はラフな会話も目立つ。
ランキスが一息つけるのもエデアといる時ぐらいらしい。

町にやって来たリオを追い返そうとしたのも彼。
住人を化物の奴隷扱いしようというのが気に障ったらしい。
この場合ランキスの態度は町長としても当然のものである。
リオも本来ラーバリスのアンデッド達にこのような扱いをすべきでないことは、重々承知の上で頼み込んでいたため、どちらも内心複雑なものがあった。

結局見かねたエデアが名乗りを挙げ、彼一人を犠牲にするかたちで町の平穏が保たれる。

▼ 設定集
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by 2-ji | 2011-11-15 06:59 | ▲ 創作キャラ

設定いろいろ

自分用のメモ兼。
沢山ある割に読んでもそんな面白いもんじゃないかも。

▲ 続き。
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by 2-ji | 2011-11-15 05:50 | ▲ 創作キャラ

Necromance Carnival

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二連ネックレス。お葬式でやっちゃだめ。

青いMessiahほのぼの人外アパートときて、これは更なるパラレルワールド。
Messiahでリオが生存した場合、なる別ルート世界が舞台です。
エデア(本人)は殉職し、後家さんリオはフリーのネクロマンサーになっています。
エキストラモード、ネクロマンス・カアニバル。
キャラをいっぱい作って好きに弄ったり動かしたりするうちに
今まで触れられなかった世界観が何となく見えてくるのを楽しむ、
進行形のお遊びです。

★ Necromance Carnival Wiki ★
詳しい世界観やキャラクター達はこちらのWikiにまとめていきます!
また舞台の方針は、すぴばるでキャラ達が話し合って決める事もあります

▲ 続き。
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by 2-ji | 2010-08-06 11:26 | ▲ 創作キャラ

突発キャラ達

設定付きそうな突発キャラが出来たら置きます。設定が歩き始めたら消します。
増えたり減ったり、突発置き場。 twitpic にもちょこちょこあります。

▲ 続き。
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by 2-ji | 2010-07-21 15:25 | ▲ 創作キャラ