二次創作絵等ブログ。
by aru
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<   2012年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧

Good night

眠りこけるパートナーを横目にふと思う。
彼らは何故眠るのだろう?

彼は寝つきが良い。
ぐんなーい、とふざけた挨拶をよこして地面に身体を横たえると、スッと意識を飛ばす。
生きた人間と、眠りの構造そのものが違うんじゃないだろうか。
寝ていると、まるでただの行き倒れだ。
魂そこにあらず、って感じ。
寝息を立てる必要も無いものね。

・・・もしかしてこの人は、寝ている間、本当の死人に戻っている?

ふっと沸いたその考えを振り払う。
ここはキメラの森。
女一人で夜明かしするなど、想像しただけで寒気がする。
自ら心配事を呼び込むような考えは避けるべきだわ。
大丈夫よ、この人ちゃんと毎朝目覚めるもの。

「・・・エデア・・・」

名前を呼んでみる。
思ったよりか細い声が出て、自分の気の弱さに少し呆れた。
当然相手が起きる気配は無い。
つい溜息が漏れる。

時たま奇妙な鳴き声が遠くに響いたかと思えば、すぐ後ろを何かの気配が横切る。
夜風が森中の葉という葉の間をくぐり、あらゆる角度から不平等な音を立てる。
私は今、そういう所に居る。

顔を見ようと、少しだけ近づいた。
首を伸ばしてその表情を捉えようとする。
月明かりはなんて心もとないんだろう。
かろうじて確認できた顔は、葬儀を待つ死者そのものに見えた。

眠る死者の魂は、身体を離れて毎夜どこへ行くのか。
古い小説の挿絵で見た、霊魂集う古城の広間に、最後の晩餐へと繰り出すのだろうか。
全て等しき魂の川で、無に還る順番を待っているのだろうか。
彼らのかりそめの生はいかなる時でも、安らかな旅立ちを目的としてそこにある。

感情を殺してなど最早いられなかった。
身の安全を確かめるように、動かないパートナーの傍に身を寄せ、腰を下ろす。
近くでその顔を見下ろすと、目に飛び込んでくるおぞましい表皮のせいで判りにくいものの、穏やかな表情をしている。
共に旅立ち暫く経つけど、すぐ隣に座るのも、まじまじと顔を見るのも初めてだった。

何か確かな実感が欲しくて、地面に手の平を這わせながら掴めるものを探す。
ほら、ここに・・・・・・
あった。
腐肉の妙な感触からくる違和感は、意外とすぐ慣れた。
乱暴に扱って潰してしまわないよう気を付けながら指を潜らせ、相手の存在を確かめる。
すると外気で冷え切った死者の手が、確かに握り返した。

「感心しねェな」
「分かってるわよ、そんなの」

夜の心細さにとり込まれるなど、帝国の命を帯びた使者にあらず。
主語が無くても稚拙な感情の揺れを指摘されたのだと分かり、ついムッとしてしまう。
でも何で。
何で私の考えが分かったの、そう言うより早く。

「あァ、大丈夫。オレ、アンタの意思ひとつですっ飛んで来っから、意識が」
「・・・死者の眠りっていうのは、そういうものなの?」
「ど~だかね」

・・・やはり、生者の眠りとは性質の違うものらしい。
そもそも一度魂となった彼らだ。
声より強く、意思を感じ取るのかもしれない。
彼がこちらを見上げ、にっと口の端を上げた。

「ま、アンタがコッチを必要だっつう以上、先に逝く気はねェから・・・安心していいぜ」

信じていいと思った。
口調はいつも以上に軽かったが、まだ振り解かずに、繋いでくれているままの手があるから。

そういえばこの人、常々触れられる事を何より拒んでた筈だけど。
またフワフワと考えが巡りだしそうになる。
ま、いいか。
おやすみ、怪物達。
鼻を麻痺させる死の香りは、私をお前達から守ってくれる。
好都合な幻想に抱かれて、今夜くらいは良い夢を見よう。

...Fin





・・・純粋なイチャコラ成分が少ないので補充してみました。
つ、つり橋効果。

▼ もしまたランキスと会えたら
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by 2-ji | 2012-06-27 04:37 | ▲ 創作キャラ 【New!】